職業訓練受講給付金は、失業手当をもらえない人を対象とする給付金です。
支給要件は全部で8つあり、すべてを満たすことが条件となっている上、事前審査だけではなく支給申請ごとに審査が行われるため、満たした状態をキープしなければなりません。
しかし、支給が決定されれば返済義務のない10万円を毎月もらうことができます。
ただし、毎月の申請となり、申請してから支給・不支給の判断があるため、受け取りまでは1ヶ月以上かかってしまいます。
また、世帯の月収が30万円を超えると給付金を受給できなくなるため、世帯の月収には特に注意が必要です。
世帯分離をすることで、対象となる家族を減らすことも可能ですが、同一生計であるのに給付金目当てで世帯分離をすることは、不正受給につながる上、詐欺罪に問われる可能性もあるため厳禁です。
- 職業訓練受講給付金は受講しながら毎月10万円が支給される
- 職業訓練受講給付金の審査は支給要件の維持が難しい
- 職業訓練受講給付金の審査落ちは世帯の月収に注意
- 職業訓練受講給付金のデメリットは受給までに時間がかかること
- 職業訓練受講給付金目当ての世帯分離は厳禁
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そもそも求職者支援制度の職業訓練受講給付金とは?
求職者支援制度は、就職に向けてスキルアップを目指す求職者をサポートする制度で、その柱となるのが、毎月10万円が支給される職業訓練受講給付金です。
職業訓練受講給付金は雇用保険の基本手当、いわゆる失業給付を受給できない人を対象としていますが、ハローワークで求職をしなくていいという意味ではありません。
そのため、労働する意欲をもって、ハローワークに求職者として申し込みをしていることが条件になります。
その上で、給付金を受け取るためには8つの要件をすべて満たす必要があり、誰もが受給できるわけではありません。
また、給付金に欠かせない職業訓練を受講するためには、面接や試験などを通過する必要があります。
このように、職業訓練受講給付金を受給するためには、突破しなければならない壁がいくつもあります。
職業訓練受講給付金の条件や受給額
職業訓練受講給付金を受給するためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 本人の月収が8万円以下
- 世帯の月収が25万円以下(2023年4月以降の訓練については30万円以下)
- 世帯の金融資産が300万円以下
- 現住所以外に不動産を所有していない
- 訓練実施日に全出席している
- 世帯構成員に職業訓練受講給付金を受給している者がいない
- 3年以内に不正行為によって特定の給付金の受給歴がない
- 6年以内に職業訓練受講給付金の支給を受けていない(2023年4月以降の受講に限る)
月収は給与に限らず、賃貸収入や年金、養育費などを含む収入全般が該当し、税引前の総額が対象となります。
世帯には本人及び同居家族だけではなく、別居している同一生計の家族も算定の対象となります。
家族の範囲は配偶者以外に子どもと両親です。
訓練の出席は、やむを得ない事情によって欠席した場合であっても、支給期間単位ごとに80%以上出席しておく必要があります。
なお、すべての要件を満たしたときに支給される金額は10万円及び交通費です。
職業訓練受講給付金:月額10万円
通所手当:通所方法により支給額が異なります(上限あり)
ただし、交通費にあたる通所手当には上限があるため、交通費の全額が給付されない場合もあります。
職業訓練の種類(分野)
職業訓練の種類は公共職業訓練と求職者支援訓練の2つにわかれています。
公共職業訓練は雇用保険を受給している人を対象としているため、離職者訓練とも呼ばれています。
これに対して、求職者支援訓練は雇用保険を受給できない人、または受給が終わった人を対象としており、求職者支援制度に基づく認定職業訓練になります。
いずれの職業訓練も無料で受講することができますが、受講に必要なテキスト代などの諸費用は受講者負担です。
職業訓練できる分野には以下のようなものがあります。
- 基礎
- IT分野
- 営業・販売・事務分野
- 医療事務分野
- 介護・医療・福祉分野
- 農業分野
- 林業分野
- 旅行・観光分野
- 警備・保安分野
- クリエート(企画・創作)分野
- デザイン分野
- 輸送サービス分野
- エコ分野
- 調理分野
- 電気関連分野
- 機械関連分野
- 金属関連分野
- 建設関連分野
- 理容・美容関連分野
- その他の分野
- その他の製造関連分野
職業訓練で受講できるコースは多岐にわたりますが、受講したい分野にどのようなコースがあるかはインターネットで確認することができます。
ハローワークインターネットサービスの、「ハロートレーニングコース情報検索」から検索ができます。
直接確認したい人は最寄りのハローワークに問い合わせが必要です。(ハローワークでお金を借りる方法!生活費が必要な求職者の借り方を解説)
職業訓練受講給付金の申請に必要な書類
職業訓練受講給付金を受給するためには、事前審査と支給申請の2段階で書類を提出しなければなりません。
事前審査に必要な書類は次のとおりです。
必要書類 | 文書名 | 備考 |
---|---|---|
番号確認書類 |
|
いずれか1点 |
身元(実在)確認書類 |
|
いずれか1点 |
ハローワーク発行書類 |
|
|
所定の添付書類 |
|
支給申請に必要な書類は次のとおりです。
必要書類 | 文書名 | |
---|---|---|
ハローワーク発行書類 |
|
|
訓練を欠席した場合の書類 | やむを得ない理由であることを証明する書類 | |
寄宿手当(10,700円)を希望する場合の書類 | 寄宿を開始・終了したことを証明する書類 |
必要書類に不備があれば、給付手続きがスムーズにいかなかったり、給付を受けられなくなったりするため、提出期限までに必ず準備することが大切です。
職業訓練受講給付金を受給するまでの流れ
まずはハローワークにて求職者支援制度の説明を受けて、制度を理解した上で利用の意志を申告します。
職業相談と並行して訓練コースを選んで申し込み手続きを行い、訓練機関が実施する面接や試験などの選考を受けます。
受講選考に合格したときは、ハローワークのあっせんを受けて受講を開始します。
訓練期間及び訓練終了後3ヶ月間は、指定来所日にハローワークで職業相談を受けると同時に、支給申請を行って後日給付金を受け取ります。
指定来所日は、求職者支援制度を利用している人が、ハローワークに来所しなければならない日のことで、原則毎月1回あります。
重要なことは、職業相談と並行して職業訓練を受けることで、いずれか一方だけでは職業訓練受講給付金を受給することはできません。
職業訓練受講給付金の審査は厳しい?
職業訓練受講給付金の受給が厳しいと言われる理由は、審査の実施回数にあります。
2段階審査になっており、事前審査を通過しても、支給申請のたびに実施される定期審査を通過できなければ、受給することができない仕組みになっています。
支給要件を満たしているかどうかの審査のため、審査自体は難しいものではありません。
ただし、支給要件には過去の受給歴のように、事前審査の時点でクリアできれば継続的にクリアできるものもあれば、収入制限や訓練の出席状況のように、クリアを維持し続けなければならないものもあります。
さらに、事前審査は1回だけですが、定期審査は職業訓練の受講期間となる最長2年間に毎月実施され、審査に通過できなければ受給できなくなります。
そのため、2年間の訓練コースを受講する場合は、25回の審査に通過しなければならなくなり、審査が厳しいとされています。
給付金支給条件を維持する事が難しい
給付金は、条件を満たした上で審査に通過する必要がある借り入れとは異なり、条件を満たすだけで給付の決定が下ります。
職業訓練受講給付金も例外はなく、支給要件を満たしさえすれば受給することが可能です。
ただし、事前審査のときだけではなく、支給期間中も要件を満たし続ける必要があります。
支給期間は職業訓練を受講する概ね2ヶ月から6ヶ月であり、受講するコースによっては2年に及ぶ場合もあります。
支給要件のうち、特に気をつける必要があるのは次の事項です。
- 本人の月収が8万円、または世帯月収が30万円を超えないこと
- やむを得ない理由を除いて、訓練にすべて出席すること
職業訓練は朝から夕方まであり、アルバイトに割くような時間はないため、本人の月収が規定の8万円を超えることは考えにくいですが、世帯月収は注意が必要です。
訓練中の定期的な審査がある
支給要件を満たしているかの審査は事前審査で終わりではありません。
支給申請をするたびに審査が行われるため、職業訓練中は毎月1回の定期審査が実施され、支給の可否が判断されます。
そのため、訓練の途中に不支給の決定が下って受給できない場合もあります。
職業訓練受講給付金の審査が厳しいと言われるのはこのためです。
しかし、不正受給が発覚したなどの場合を除けば、事前審査をクリアしたときから状況が変わらない限り、審査は通ると考えるのが妥当です。
本人や世帯の収入制限の順守や訓練の出席状況、就職支援を受けることなどを継続していれば、支給は決定されるはずです。
なお、不支給の決定がなされたときは、以降の受給ができなくなってしまうため、継続的な受給が必要であれば、支給要件の厳守は必要不可欠です。
職業訓練受講給付金がもらえない理由や審査に落ちたのはなぜ?
職業訓練受講給付金がもらえない、または審査に落ちる理由には大きく分けて2つあります。
- 支給要件を満たしていない
- ハローワークからの職業支援を受けていない
支給要件は全部で8つあり、すべてを満たす必要があるため、1つでも欠けると審査に落ちてしまいます。
特に注意しなければならないのは次の要件です。
- 本人月収または世帯月収が収入制限を超えている
- 世帯にすでに給付金をもらっている家族がいる
- 職業訓練にすべて出席していない
また、職業相談も並行する必要があるため、指定来所日には必ずハローワークに赴き、就職支援を受ける必要があります。
なお、職業相談は職業訓練終了後3ヶ月間は継続することとなっているため、忘れないようにすることが重要になります。
失業手当を既に受け取っている
職業訓練受講給付金は求職者支援制度の一環です。
求職者支援制度は、雇用保険による給付を受けることができない人を対象としています。
雇用保険の適用がなかった離職者の方
フリーランス・自営業を廃業した方
雇用保険の受給が終了した方など(引用元:求職者支援制度のご案内 |厚生労働省)
そのため、雇用保険による失業手当をすでに受給している人、または受給する資格がある人は、職業訓練受講給付金をもらうことはできません。
ただし、失業手当を受給している人も職業訓練受講給付金できる可能性はあります。
失業保険を受け取れる条件は以下の表の通りです。
失業の理由 | 被保険者期間 |
---|---|
一般の離職者 | 離職日以前2年間に、被保険者期間が通算12ヵ月以上 |
特定理由離職者 | 離職日以前1年間に、被保険者期間が通算6ヵ月以上 |
会社都合退職 | 離職日以前1年間に、被保険者期間が通算6ヵ月以上 |
失業手当は雇用保険の加入期間などの要因によって変動しますが、決められた支給期間(最長1年)以上の給付を受けることはできません。
失業手当の受給が終了した後で、ハローワークが職業訓練などを支援するべきと判断し、支給要件を満たしたときは職業訓練受講給付金を受給できます。
一人暮らしをしているが住所変更しておらず世帯年収が超えていた
支給要件には収入制限があり、世帯全体の月収を25万円以内に抑えなければなりません。
ここでいう世帯とは、本人と配偶者、その子ども及び両親のことを言います。
世帯かどうかは同居や別居などの居住状況ではなく、同一生計にあるかどうかで判断されるため、一人暮らしをしていても住民票を変更していなかったときは、同一生計とみなされます。
そのため、住所を変更したり、同居していても世帯分離をすることで、審査を通過して受給できる場合があります。
世帯分離とは、同居している家族の住民票における世帯を分けることをいいます。
ただし、実際は同一生計であるにも関わらず、別生計であるかのようにみせるために世帯分離をすることは、不正受給になるため絶対にしてはいけません。
なお、2023年4月に制度が改正されて、世帯の収入制限は30万円以内に拡充されています。
隠れてアルバイトをし月収が8万円以上あることがバレる
収入制限は本人にも課せられており、月収が8万円以内となっています。
そのため、8万円を超えない限り、アルバイトやパートで収入を得ながら職業訓練受講給付金をもらうことができます。
しかし、経済的に困窮していない限り、仕事をしながらの職業訓練は避けるべきです。
職業訓練はスキルアップをすることが目的であるはずなのに、仕事に時間を割いていては元も子もないためです。
また、アルバイトなどによって月収が8万円を超えているにも関わらず、申告せずに職業訓練受講給付金を受給すると不正受給になります。
なお、アルバイトやパートなどをしていることをハローワークに隠すことは不可能に等しいです。
31日以上勤務する場合など一定の条件を満たせば、事業者は労働者を雇用保険に加入させなければならないため、ハローワークに資格取得届が提出されて必ず発覚します。
実家暮らしで他に給付金を受給している人がいる
職業訓練受講給付金は、同一世帯で同時に受給できないようになっているため、実家暮らしをしていて、ほかの家族がすでに受給しているときは審査を通過することはできません。
そのため、申請の前に家族に受給者がいないか確認してから、手続きを進めることが大切です。
なお、判断基準は職業訓練受講給付金を受給しているかどうかであるため、求職者支援制度を利用している同居家族がいても、給付金を受給していない限り、審査を通過できるかもしれません。
なお、本人は6年以内に受給歴があれば受給できませんが、世帯には同様の規定はないため、世帯に受給者がいることが原因であれば、その家族の受給が終了すれば受給できる可能性があります。
職業訓練の受講率が低い、欠席が多い
職業訓練受講給付金は、職業訓練を受けてより安定した職に就きたいと強く願う人を対象とするものであるため、職業訓練を欠席するような意欲に欠ける人には不支給の判断が下ることになります。
そのため、1度でも職業訓練を欠席した時点でもらえなくなります。
欠席は文字通りの意味である「出席していない」ことを指すだけではなく、次の行為も含まれます。
- 早退
- 遅刻
- 欠課
なお、やむを得ない理由として認められるときは、欠席しても直ちに受給に影響はでません。
ただし、やむを得ない理由であっても、支給単位期間ごとに80%以上は出席しなければなりません。
やむを得ない理由には通院、家族の看病、交通機関の遅延などがありますが、証明する文書が必要になります。
欠席するときは証明する文書があれば、ペナルティが課されなくなりますが、8割以上は出席が必要です。
職業訓練受講給付金を受給するデメリット
職業訓練受講給付金には以下のようなデメリットがあります。
- 給付金はすぐにもらえるわけではない
- 訓練期間と比例して無職期間が延びる
- 職業訓練はラクではない
- 卒業後は就職が前提
給付金は事前審査に通過したから必ずもらえるわけではなく、支給申請のたびに審査が行われます。
その審査のときに特に気をつけなければならないのが受講状況で、やむを得ない利用での欠席を除いて、1日でも欠席や遅刻早退があれば支給されなくなります。
さらに、職業訓練の1日はハードスケジュールのため、スキルを身につけて就職する確固たる意志がなければ厳しいです。
そのため、職業訓練受講給付金はラクにもらえるわけでもなければ、すぐにもらえるわけでもありません。
また、受講期間は就職活動に専念できないため、受講が終わるまでは失業した状態が続くことになります。
しかし、就職に向けて職業訓練を受けたため、卒業後は就職することが求められることになり、プレッシャーを感じてしまう人もいるかもしれません。
受給時期は申請1ヶ月後と長い
職業訓練受講給付金は事前審査を通過しても、直ちに受給できるわけではありません。
給付金の申請ができるのは職業訓練がスタートしてからになります。
職業訓練中には月に1度は必ずハローワークに行く必要があり、このときに支給申請を行いますが、申請してすぐに受給できるわけではありません。
申請後にも審査があり、審査を通過すれば10日以内に指定した口座へ振り込まれます。
審査を通過するためには、支給単位期間ごとの職業訓練を欠席してはいけません。
支給単位期間とは訓練開始日を初日とする1ヶ月の期間のことです。
したがって、支給申請をするために1ヶ月かかり、受給までに10日程度かかるため、もらうまでに1ヶ月以上かかることになります。
失業期間が長くなる
職業訓練は受講するコースによりますが、ほとんどは2ヶ月から6ヶ月程度で、長いものでは2年間もあります。
職業訓練の修了を目指せば、受講期間は失業状態が続くことになります。
なお、職業訓練は履歴書に記載することは可能ですが、実務経験とみなされることはないため、職歴の空白期間の理由にはなり得ますが、職業訓練を活かせる仕事ではない限り、プラスに働くとは考えにくいです。
もっとも、就職活動による欠席はやむを得ない理由に該当するため、職業訓練と並行して就職活動を進めることはできます。
その結果、受講期間が残っている状態で内定をもらえたときは、職業訓練を途中で辞めることもできるため、積極的に仕事を探すのが得策です。
授業は長時間びっしりで厳しい
職業訓練の授業は受講する訓練やコースによりますが、朝3コマ、昼3コマの1日6コマあり、おおよそ9時から16時の間に昼休憩をはさむ形式で行われます。
学生時代の1日の流れを思い返せばイメージしやすいです。
なお、職業訓練は時間が限られている関係上、スピーディーに授業が進んでいくため、常に集中しておく必要がありますし、予習復習が重要になります。
そのため、夕方以降は時間が空きますが、予習復習などに時間を費やせば予定を入れることは難しいです。
このように、職業訓練中はハードスケジュールになるため、この点も理解した上で申し込みの判断をするのが賢明です。
受講状況によっては支給されない場合がある
事前審査に通過しても、支給申請をしたときにも審査があるため、不支給となることがあります。
支給申請での審査落ちの一番の原因は職業訓練の受講状況です。
職業訓練受講給付金をもらうためには次のことを厳守しなければなりません。
- 職業訓練は原則、遅刻早退をせずにすべて出席する
- やむを得ず欠席や遅刻早退するときであっても80%以上出席する
理由もなく出席しなかった時点で、その月は給付金を受け取ることはできません。
また、欠席や遅刻早退するときは、やむを得ない理由であることを証明するために、文書を提出する必要があります。
例えば、体調不良で欠席するときは、自宅療養しているだけでは認められず、病院の領収書が必要です。
職業訓練卒業後は就職しなければいけない
職業訓練の目的は、必要なスキルを身につけて就職することであるため、卒業後は就職活動に専念するのが前提になります。
ただし、就職活動はめぐり合わせでもあるため、思うように希望する仕事に就けないこともあります。
そのため、スムーズに就職できなかったからといって、給付金の返還など罰則はありませんが、卒業後3ヶ月間はハローワークで就職支援を受ける必要があります。
もっとも、就職する意志はなく、給付金目当てで職業訓練を受講しようとした場合、面接の時点でつまづいてしまい、事前審査を通過することはできません。
事前審査を通過できても、職業訓練のスケジュールに耐えきれずに辞めてしまって給付が打ち切られるばかりか、受け取った金額の全額を返還するよう求められることがあります。
職業訓練受講給付金のメリット
職業訓練受講給付金のメリットは、お金をもらいながら資格や技術の習得を目指せることです。
就職に向けて資格などを取得したくても、経済面が障壁となってなかなか決断できない場合もありますが、この問題は給付金で解決できます。
支給要件を満たすのは難しいですが、給付金のため返済する必要はなく、非課税なのでもらっても税金はかかりません。
さらに、職業訓練受講給付金をもらっても、経済面の問題が解決できない場合は、求職者支援資金融資制度が利用できる場合があります。
貸付制度になるため返済義務がありますが、給付金のように毎月の受け取りではなく、審査が通れば一括で融資を受けることができます。
返済は訓練終了後からになるため、職業訓練期間中は受講に集中することが可能です。
経済面で余裕ができる
失業して直面するのが経済的不安です。
経済面を安定させるために、次の仕事をすぐにでも探したくなるのが心情のため、職業訓練を受けることを選択肢から除く人も多いと思います。
しかし、職業訓練受講給付金を受給できれば、月10万円の収入を得ることができます。
そのため、経済的不安を解消または軽減させながら、スキルアップを目指すことができます。
また、職業訓練受講給付金は非課税のため、年間120万円を受け取っても税金は一切かかりません。
「職業訓練受講給付金」は、非課税の所得ですので、住民税はかかりません。
(引用元:練馬区 – よくある質問と回答)
10万円をアルバイトの収入として得ると、所得税や住民税を納税しなければならないため、手取り額は10万円を下回りますが、職業訓練受講給付金は10万円をそのままもらうことができます。
技術を習得する事で転職に有利になる
中途採用で求められるのは即戦力のため、技術や資格があれば就活で有利になることがあります。
しかし、技術や資格の習得には時間がかかる上、それなりの費用が発生します。
独学で習得する場合は費用を抑えることができても、時間が長くかかってしまう場合があります。
職業訓練を利用すれば、テキスト代などの諸費用はかかりますが、給付金をもらうことができるため、テキスト代以上の収入を得ることができます。
技術や資格を習得しながら、お金をもらうことができるため一石二鳥です。
また、技術や資格の習得にはモチベーションをいかに保つかが重要になります。
同じコースを受講する仲間たちと切磋琢磨しながら進めることができるため、モチベーションを保つことも可能です。
給付が足りない場合は求職者支援資金融資制度を利用できる
職業訓練受講給付金を受給しても生活に困窮するときは、求職者支援資金融資の制度を利用できる場合があります。
制度名 | 求職者支援資金融資 |
---|---|
申請窓口 | 労働金庫(ろうきん) |
条件 |
以上2点をどちらを満たす |
限度額 | 月額最大10万円 |
金利(年利) | 2% |
即日融資の可否 | 不可 |
返済方法 | 毎月末日に労働金庫の口座から引き落とし |
担保・保証人の有無 | 不要(保証会社は必須) |
ハローワークを通して労働金庫に申し込みをするため、労働金庫及び指定保証会社の審査を通過する必要があります。
申し込むためには次の2点をいずれも満たさなければなりません。
- 職業訓練受講給付金の支給申請をして支給が決定していること
- ハローワークが「求職者支援資金融資要件確認書」の交付を認めること
貸付限度額は単身者が月額5万円、扶養家族がいるときは月額10万円の、受講月数分が一括で振り込まれますが、制度上、即日融資には対応していません。
なお、求職者支援資金融資は貸付制度のため、返済義務が発生します。
訓練終了から3ヶ月間は据置期間が設定されるため、利息のみの支払いとなり、4ヶ月目から元利均等払いで通常5年以内で返済します。
給付金が不支給になったときや、訓練を途中で辞めてから1ヶ月以内に届け出なかったときなどは一括請求となるため、制度を正しく理解して利用する必要があります。
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この記事の監修者 | 山口みき |
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自己紹介 | 金融WEBメディア運営・管理経験(3年以上)を活かし「お金借りる今すぐナビ」の編集・監修を担当。FP技能士や貸金業務取扱主任者・クレジット債権管理士の資格取得にも前向きに取り組んでおり、借り入れに関する疑問や不安に応えるため、常に正確で専門的な情報提供に努めています。 |
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