ビジネスローンは個人事業主や法人経営者限定の、事業資金に利用できる目的ローンです。
銀行融資と比較すると金利が高く、融資上限額も低い傾向にありますが、融資までの時間が早いため、つなぎ資金としての利用にも向いています。
資金調達ができなければ事業の存続に影響を及ぼす可能性がありますが、ビジネスローンも審査があるため、必ず借りれるビジネスローンは存在しません。
どうしても審査に不安があるときは、信販会社や消費者金融などのノンバンクが取り扱うビジネスローンであれば、独自の審査基準で判断してくれます。
ビジネスローンの審査では事業の経営状況が見られるのは当然ですが、決定権を有する経営者の信用情報も確認されるため、金融事故があると審査が厳しくなります。
なお、経営状況を確認する書類として、確定申告書や財務諸表などの資金の動きがわかる書類の提出を求められることがあります。
審査に通りたいという気持ちはわかりますが、提出書類に過大申告などの虚偽が発覚すれば審査に通らないどころか、刑事罰の対象になる可能性もあります。
そのため、正しい内容で記載した文書を準備しなければなりません。
- 必ず借りれるビジネスローンは存在しない
- ビジネスローンは経営者の信用情報も影響する
- ビジネスローン審査が不安ならノンバンクに申し込む
- ビジネスローンは経営状況が審査のカギ
- ビジネスローンの提出書類は不備なく正確に記載
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<審査通過に成功するコツ>①虚偽(ウソ)は書かない ②免許証等の提出書類の添付忘れ ③限度額設定は必要な分だけ ※ブラックは申込・借入不可
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必ず借りられるビジネスローンはあるの?難しい
ビジネスローンとは個人事業主や法人経営者を対象としている、いわゆる事業者ローンのことです。(個人事業主・自営業者がお金を借りる方法【資金調達でおすすめの借り方】)
開業資金や運転資金などでまとまった資金の借り入れに利用されることが多いため、カードローンなどのフリーローンに比べると、融資額が大口になります。
特に、開業資金であれば、現にその事業で売上がない状態で申し込んでも借り入れができる場合があるため、必ず借りられると勘違いしている人もいるはずです。
しかし、ビジネスローンにも審査があり、審査に通らなければ融資を受けることはできません。
ただし、消費者向けのローンと異なり、事業計画や資金繰り計画、現地調査などの収入以外の部分も含めた審査が行われる特殊性があります。
このように、審査もより厳格に行われるため、必ず借りられるということはありません。
激甘審査・審査なしというワードにつられてはいけない
貸金業者でビジネスローンを利用する場合、事業性融資は総量規制の例外にあたるため、年収の3分の1を超えても借り入れができる可能性があります。
そのため、審査が甘いと認識されてしまうこともありますが、総量規制を超えるということは債務超過に陥る可能性が高まるため、むしろ厳格な審査が行われています。
また、「激甘審査」や「即日審査なし」などのワードを謳っているビジネスローンには注意が必要です。
貸金業法では、簡単に借りれるような表現を用いて、申し込みを誘発させる広告は禁止されています。
(誇大広告の禁止等)
第十六条 貸金業者は、その貸金業の業務に関して広告又は勧誘をするときは、貸付けの利率その他の貸付けの条件について、著しく事実に相違する表示若しくは説明をし、又は実際のものよりも著しく有利であると人を誤認させるような表示若しくは説明をしてはならない。
2 前項に定めるもののほか、貸金業者は、その貸金業の業務に関して広告又は勧誘をするときは、次に掲げる表示又は説明をしてはならない。
一 資金需要者等を誘引することを目的とした特定の商品を当該貸金業者の中心的な商品であると誤解させるような表示又は説明
二 他の貸金業者の利用者又は返済能力がない者を対象として勧誘する旨の表示又は説明
三 借入れが容易であることを過度に強調することにより、資金需要者等の借入意欲をそそるような表示又は説明
四 公的な年金、手当等の受給者の借入意欲をそそるような表示又は説明
五 貸付けの利率以外の利率を貸付けの利率と誤解させるような表示又は説明
六 前各号に掲げるもののほか、資金需要者等の利益の保護に欠けるおそれがある表示又は説明として内閣府令で定めるもの(引用元:貸金業法 | e-Gov法令検索)
したがって、このようなキャッチフレーズを用いるのは正規の貸金業者ではなく、いわゆるヤミ金で、絶対借りれるヤミ金はありませんので注意が必要です。
ビジネスローンとは事業資金として借りる事業用ローン
ビジネスローンは事業資金の利用に使途目的を限定した商品です。
ビジネスという表現から法人経営者のみを対象としていると思われることもありますが、個人事業主も対象としている場合がほとんどで、利用できないのは一般消費者だけです。
ただし、法人経営者または個人事業主のいずれかに融資対象を限定していることもあるため、申し込んだ時点で審査が断られることがないように、事前確認が必要になります。
なお、契約者となるのは会社ではなく経営者ですが、ビジネスローンは事業を経営するために利用するものであり、経営者の私的利用はできません。
そのため、事業資金ではなく生活費などのプライベートで使用するために借り入れするときは、フリーローンを利用することになります。
ビジネスローンとは個人事業主・法人が借りられる事業用ローン
ビジネスローンは、運転資金や開業資金、設備投資など事業を営む上で必要な資金に限定した目的ローンです。
そのため、事業を営んでいない一般消費者が利用することはできず、対象は個人事業主や法人経営者に限定されています。
事業資金を借り入れするときは高額になるため、金利が安い銀行や日本政策金融公庫などを検討するのが負担が少ないですが、審査に要する時間が長く、急な資金不足には対応できません。
また、お金を借りる時の必要書類も多く、審査を受ける準備が必要になります。
これに対して、ビジネスローンは大口の契約ができるため、まとまった資金を調達することが可能なだけではなく、必要書類も限られていて審査スピードも早く、借入先によっては即日融資を受けることもできます。
ビジネスローンと銀行融資の違い
ビジネスローンは、個人事業主や法人経営者を対象にした事業資金に使えるローンの総称です。
これに対して、銀行融資は、銀行が取り扱うローン全般のことを指し、銀行でも個人事業主や法人経営者を対象にしたローンを取り扱っています。
そのため、銀行融資の中にはビジネスローンに分類されるローンもあります。
しかし、ビジネスローンと事業用銀行融資は、個人または法人の経営者を対象とする点に関しては同じですが、ローンの詳細を比較すると別物であることが見えてきます。
項目 | ビジネスローン | 事業用銀行融資 |
---|---|---|
融資金額 | 最大1,000万円 | 最大1億円 |
金利 | 上限年18% | 上限年12% |
融資実行までの時間 | 最短即日 | 最長1ヶ月 |
保証人または担保 | 原則不要 | 必要になることがある |
このように、ビジネスローンは早く融資を受けれるものの、金額が少なく金利が高いです。
一方、銀行融資は借りれるまでの期間は長いが、金額が大きく金利が低いといった特徴があります。
ビジネスローンは開業資金には使えない
開業資金とは、新たな事業を始めるときに必要になる資金のことで、店舗を設けるときに必要な物件の購入費用や入居費用、備品購入費用などが該当します。
ビジネスローンは事業に関する資金を融資するものであるため、開業資金も使途目的としては問題ありませんが、開業資金としては利用できないビジネスローンも多いです。
融資を受けるときに、確定申告書や決算書などの売上や収入を明らかにする書面が必要な場合、事業を始めるときや始めて間もないときは、申告や決算をしていないため用意することができません。
ただし、借入先によっては、事業計画書などをもとに開業資金として融資してくれるところもあるため、申し込み前に開業資金として利用できるか確認することが大切です。
ビジネスローンの貸付には証書貸付と極度貸付はある
融資には証書貸付と極度貸付の2種類があります。
証書貸付は主に金銭消費貸借契約書を作成して貸付を行う契約を指します。
証書貸付は個別契約となるため繰り返し利用することはできず、追加融資を受けるときは再契約が必要になります。
極度貸付は極度額(限度額)を設定して繰り返し利用できるリボルビング契約のことをいいます。
極度額も契約を締結するのは証書貸付と同じですが、極度額の範囲内であれば追加融資を受けることができ、代表的な商品はカードローンです。
ビジネスローンも同じように証書貸付と極度貸付がありますが、借入先によって取り扱いが異なるため、希望する契約方式が利用できる借入先を選ぶ必要があります。
ビジネスローンのブラックとは
借金における「ブラック」という表現は、信用情報機関に異動情報が登録された状態のことをいいます。
異動情報は、61日以上の延滞や債務整理手続きなどで返済不能になったときに登録されるため、ビジネスローンを締結する事業の経営者がブラックのときは審査が厳しくなります。
これに加えてビジネスローンでは、「ビジネスローンにおけるブラック」もあり、次のような状態をいいます。
- 経営状態が芳しくない
- 税金を滞納している
ビジネスローンの契約者は経営者ですが、実際のところは事業に対する貸付であり、経営状況が悪化している事業に融資をすると、回収不能になるリスクが高まるため審査が厳しくなります。
なお、赤字決算自体は問題ではありませんが、赤字となっている理由によっては審査に影響する可能性があります。
また、税金の滞納はいずれ差し押さえを受ける可能性があるため、融資が慎重に判断されることになります。
銀行系ビジネスローンは低金利が魅力
ビジネスローンは銀行融資に比べると金利が高いですが、その中でも銀行系ビジネスローンは金利が低い傾向にあります。(銀行からお金を借りる)
ビジネスローンは大口契約となるため、低金利で契約したほうが返済金額及び返済総額を抑えることができます。
そのため、低金利の銀行系ビジネスローンを利用するのが賢明です。
しかし、低金利となるとそれだけ審査時間が長くなる可能性もあるため、短期間の利用であれば金利が高くても早急に利用できる、消費者金融や信販会社のビジネスローンを利用すべきです。
また、時間的に切迫していないのであれば、銀行融資を検討するのがベストです。
銀行融資は融資実行までの時間こそかかりますが、銀行系ビジネスローンよりもさらに低金利で利用を検討することができます。
ノンバンクビジネスローンは独自審査が期待できる
ノンバンクビジネスローンとは、消費者金融や信販会社、ビジネスローン専門会社などの貸金業者が取り扱うビジネスローンです。
ノンバンク(non-bank)とは、預金業務を扱わない消費者金融や信販会社のことをいいます。
ノンバンクビジネスローンは、銀行系ビジネスローンと比べると金利が高い傾向にある反面、柔軟な審査をしてくれます。
そのため、銀行系で利用できなくてもノンバンクでは利用できることがあります。
ただし、借入先によって審査結果が変わるのは審査基準の違いによるものであり、決して審査が甘いというわけではありません。
特に、専門会社はビジネスローンに特化しているため、独自審査の傾向が強く、融通の利いた審査をしてくれる場合があります。
ビジネスローンの審査落ちしない為のポイント
消費者向けローンは、申込者本人の審査に通過すれば利用することができますが、ビジネスローンは経営者の審査に加えて事業または法人の審査も行われます。
そのため、消費者向けローンと比べて必要書類が多岐にわたったり、審査で注意すべき事項が多くなります。
ビジネスローンで審査に落ちないためのポイントには以下のようなものがあります。
- 経営者の信用情報に異動がない
- 申し込みブラックになるような申し込みは避ける
- 事業に関する税金を滞納しない
- 経営状態が良好であることをアピールする
また、申し込む上で必要になる書類は必ず不備なく用意し、ありのままの数字を記載することが大切です。
なお、クリアできない項目があるときは、担保や保証人を提供することによって、審査の通過率を高めることができる場合があります。
経営者の個人情報に金融事故がない
ビジネスローンの契約書は経営者のため、審査の過程では必ず経営者の信用情報がチェックされます。
経営者が金融事故を起こした経歴があるときは審査が厳しくなります。
金融事故とは返済不能になった状態、または返済不能になったあとに何らかの手続きをとったことをいい、次のような状態または手続きを指します。
- 61日以上の延滞
- 債務整理手続き(自己破産、個人再生、任意整理)
- 特定調停
- 代位弁済
- 貸し倒れ
金融事故は信用情報機関に登録されることになっており、登録されると原則、借入残高がゼロになってから5年間保存されます。
そのため、一度登録されてしまうと抹消されるまでに時間がかかるため、いかに金融事故を起こさずに実績を積むかが重要になります。
経営者の信用情報の確認方法
ビジネスローンを取り扱う正規の金融機関または貸金業者は、信用情報機関に加盟しています。
国に認められている信用情報機関は3つあります。
信用情報機関に登録されている信用情報は、インターネットや郵送によって開示請求できるため、自分の信用情報がどのように登録されているか確認することができます。
ただし、開示請求は本人しかできないため、経営者自身で請求しなければなりません。
なお、信用情報を確認した結果、事実と異なる情報が保存されていることが発覚したときは、登録した金融機関や貸金業者に対して、正しい情報に訂正するよう請求することもできます。
税金の滞納や未納がない
納税は国民の義務であり、経営者はもちろん、事業を経営する上で納めることになっている税金も例外ではありません。
事業を経営する上で納める税金には次のようなものがあります。
区分 | 税金の種類 |
---|---|
個人事業主 | 事業税 消費税 |
法人 | 法人税 法人事業税 法人税 消費税 |
ビジネスローンの必要書類として、未納または滞納がないことの証明書である納税証明書を求められることがあります。
納税証明書を確認する理由は次のようなものが考えられます。
- 経営状況の確認
- 信用に値する経営者であるかの確認
税金を滞納している場合、事業の継続が危ういと判断されて審査に影響する可能性が高いです。
また、義務を果たす人物であるかの確認も含まれている可能性もあるため、事業税だけではなく経営者本人も納税を徹底するのが得策です。
経営状態がよい・返済能力がある
ビジネスローンは事業資金として借りるものであり、個人の借り入れとは趣が異なりますが、借り入れである以上根本的な部分は同じであるため、返済能力が認められなければなりません。
そのため、審査では確定申告書や決算書などで、経営状態が良好であることを明らかにすることが必要になります。
このときに気をつけなければならないのが赤字決算をしている場合です。
返済原資となる事業所得がマイナスとなると、単純に考えれば返済能力なしとなり、ビジネスローンを利用できなくなります。
しかし、個人事業主や法人は節税対策として赤字決算をすることがあるため、ローンを申し込む経営者が事業の実態を正確に把握し、担当者に説明できるようにしておく準備が必要です。
担保を準備しておく
返済能力を補完する方法として担保の差し入れがあります。
返済能力に欠ける経営者に対して融資を実行しないのは、貸し倒れになるリスクを回避するためです。
担保があれば借主が返済不能になったときに担保を処分することで、債権を保全することができるため、担保があれば審査が有利になることがあります。
ただし、融資額に見合う価値のある担保でなければ意味を成さないため、資産を保有していることが条件になります。
担保に設定できるものは土地や建物などの不動産や、株式や国債などの有価証券です。
なお、担保の設定には不動産の登記など時間を要する場合があり、融資実行までの時間が遅くなることがあるため、余裕を持って申し込むことが大切です。
独自審査基準を採用しているビジネスローンを選ぶ
審査基準は融資を行う業者ごとに策定しているため、審査内容は同じであっても異なる結果が出ることがあります。
審査基準はどのような顧客をターゲットにするかを決めたものであるため、ターゲットの幅を広くすれば審査難易度は下がり、逆に幅を狭めれば審査難易度は上がることになります。
一般的に低金利になるほど厳しい基準をクリアしなければならないため、銀行よりも貸金業者が取り扱うビジネスローンのほうが、審査難易度は低いと考えられます。
特に、ビジネスローン専門会社は、ビジネスローンを融資することで利益を得ているため、少しでも多くの顧客を獲得できるように、独自の審査基準を導入している可能性が高いです。
そのため、審査に不安がある経営者は専門会社に申し込むのが得策です。
ただし、審査が甘いわけではないため、必ずしも審査に通過できるわけではありません。
提出書類に虚偽がなくすべてそろっている
ビジネスローンは、消費者向けローンと比べて多くの書類の提出を求められます。
提出書類は借入先によって異なるため、一概には言えませんが、必ず必要になるのは経営者の本人確認資料や、事業の実態が確認できる書類です。
事業の実態が確認できる書類とは、個人事業主であれば確定申告書や青色申告決算書など、法人であれば商業登記簿謄本や財務諸表などです。
特に、青色申告決算書や財務諸表は、事業または法人の経営状況を把握する書類であるため、審査において重要な書類となります。
提出書類はすべて不備なく準備することはもちろんですが、正しい内容を記載する必要があります。
審査を通すために、故意に数字を操作して虚偽文書を作成する、いわゆる粉飾決算は詐欺罪など罪に問われる可能性もあるため、絶対にしてはなりません。(参照:刑法 | e-Gov法令検索)
必要書類の例
一般的に経営者の本人確認書類として認められるのは次の書類です。
- 運転免許証
- 健康保険証
- パスポート
- 個人番号カード(マイナンバーカード)
本人確認資料には有効期限が設けられているため、提出するときは有効期限内であることの確認が必要です。
事業に関する書類として提出を求められる書類には次のようなものがあります。
文書名 | 個人事業主 | 法人 |
---|---|---|
確定申告書 | ◯ | × |
青色申告決算書 | ◯ | × |
財務諸表 | × | ◯ |
商業登記簿謄本 | × | ◯ |
印鑑証明書 | × | ◯ |
事業計画書 | ◯ | ◯ |
納税証明書 | ◯ | ◯ |
お金借りる時に必要な提出書類は上記表に記載されている文書は一例に過ぎないため、借入先に確認することが大切です。
なお、文書によっては最新のものだけではなく、数年分必要になることがあるため、不備がないように準備しなければなりません。
短期間に複数ローンに申し込まない
申込情報は信用情報機関に6ヶ月間登録されることになっています。
そのため、短期間に複数ローンに申し込みをすると、2社目以降は半年以内の申込履歴を審査結果を含めて確認することができます。
短期間の申し込みでは審査結果が確認できない場合もあり、一気に借金が膨れ上がって債務超過になる可能性があるため、審査に通りにくくなります。
この申込履歴が原因で審査に通らなくなる状態のことを申し込みブラックいいますが、ビジネスローンでも同じことがいえるため、どんなに資金不足に陥っていても短期間の複数ローン申し込みは避けるべきです。
申込情報がなければ通るはずだった審査も通らなくなる可能性があります。
ビジネスローンの審査では何を見られる?
ビジネスローンでお金を借りる時の審査はどこまで見られるかは大きく分けて3つです。
- 経営者の信用情報
- 事業の経営状況
- 利用目的
ビジネスローンといっても、事業の決定権を握っているのは経営者であるため、必然的に経営者が申込者および契約者となるため、経営者の信用情報は必ずチェックされます。
そのため、経営者に返済能力がないと判断されれば審査は通りません。
経営者に問題がなくてもビジネスローンである以上、事業の経営状況に問題があると判断されると審査は厳しくなります。
事業の実態を確認する方法として、確定申告書や財務諸表などが確認されることになります。
また、ビジネスローンは目的ローンのため、資金使途は重要視されます。
例えば、利用目的が運転資金である場合、どのようなことにいくら必要で、いくら資金が不足しているため申し込みといった、具体的な目的を提示できなければなりません。
なお、ビジネスローンにはスコアリング方式を導入している業者もあるため、信用情報や経営状況は自動審査で判断される場合もあります。
そのため、審査基準を満たしていない時点で融資が否決になることもあります。
ビジネスローンの種類
ビジネスローンは大きく5つに分類することができます。
分類 | 特徴 |
---|---|
銀行系 | 高額利用可能、低金利 |
クレジットカード会社 | 即日利用可能 |
信販会社 | 下限金利が低い傾向 |
消費者金融 | 即日利用可能 |
専門会社 | 独自の審査基準 |
まとまった資金が必要なときは、銀行系または専門会社へ申し込みをすれば最大1億円の利用も検討できます。
ビジネスローンは大口になるため、低金利で利用したいときは銀行系または信販会社へ申し込むのが得策です。
すぐに必要なときは消費者金融への申し込めば、最短で当日の利用も可能になります。
以上のように、分類に応じてストロングポイントが異なるため、それぞれの特徴を理解して、求める条件にあったビジネスローンを利用するのがベストです。
銀行系ビジネスローン
銀行ビジネスローンの代表的なものを一覧にしました。
金利(年利) | 融資上限額 | 融資までにかかる時間 | 担保・保証人 | |
---|---|---|---|---|
三井住友銀行のビジネスセレクトローン | 2.125%~ | 1億円 | 情報なし | 不要 |
東京スター銀行のスタービジネスカードローン | 4.5%~14.5% | 1,000万円 | 5日以上 | 不要 |
GMOあおぞらネット銀行ビジネスローンあんしんワイド | 0.9%~14% | 1,000万円 | 最短2営業日程度 | 不要 |
楽天カードの楽天スーパービジネスローン | 3%~14.5% | 1,500万円 | 情報なし | 不要 |
銀行系ビジネスローンの最大の特徴は金利の低さです。
GMOあおぞらネット銀行の「ビジネスローンあんしんワイド」の下限金利は0.9%と、1%を下回っています。
三井住友銀行の「ビジネスセレクトローン」は担保や保証人なしで最大1億円を利用することができ、担保を提供した場合は3億円まで検討することができるようになっています。
※担保を差し入れていただくことで、お借入金額について最大3億円までお申込が可能となります。
なお、その場合は、(根)抵当権設定にかかる登録免許税および司法書士宛手数料等が必要です。
融資までにかかる時間は公表されていない銀行が多いため、実際にどのくらい時間がかかるかわかりませんが、早ければ2日で融資を受けることが可能です。
また、三井住友銀行を除いた3行は極度貸付を採用しているため、設定された融資上限額内で繰り返し利用することが可能なため、必要なときに必要な金額を補填することができます。
クレジットカード会社のビジネスローン
クレジットカード会社のビジネスローンの代表的なものとしては次の2つです。
金利(年利) | 融資上限額 | 融資までにかかる時間 | 担保・保証人 | |
---|---|---|---|---|
ライフカードのライフカードビジネス | 7.8%~18% | 300万円 | 情報なし | 担保不要 法人代表者は連帯保証必須 |
オリックスクレジットのVIPローンカードBUSINESS | 6%~17.8% | 500万円 | 最短即日 | 不要 |
クレジットカード会社のビジネスローンは、金利が高めですが最短即日で利用することができます。
上限金利が18%と利息制限法の上限金利と同率であるため、どちらもカードローンですが、長期的な利用に向いているとはいえず、短期的な利用がベストです。
融資上限額も最大で500万円までと少ないため、まとまった資金が必要なときは、ほかのビジネスローンを利用するのが得策です。
また、原則担保は必要ありませんが、経営者が連帯保証人となることを求めるところもあるため、条件が厳しくなっています。
なお、申し込みにあたっては業歴が1年以上の法人経営者に限られるため、個人事業主や開業資金としての利用は難しいです。
信販会社のビジネスローン
信販会社のビジネスローンと言えばクレディセゾンとオリコではないでしょうか。
金利(年利) | 融資上限額 | 融資までにかかる時間 | 担保・保証人 | |
---|---|---|---|---|
クレディセゾンのセゾンビジネスサポートローン | 2.8%~18% | 950万円 | 1週間~10日程度 | 不要 |
オリコのCREST for Biz | 6%~18% | 300万円 | 情報なし | 不要 |
信販会社のビジネスローンは、同じく立て替え払いを扱うクレジットカード会社のビジネスローンよりは融資上限額が大きいものの、融資までにかかる時間が長いという難点があります。
上限金利が年18%と高く設定されており、利用期間が長くなればなるほど利息の支払いが増えるため、短期間の利用に抑えるのが賢明です。
担保や保証人は不要ですが、融資までにかかる時間が1週間~10日ほどかかることもあるため、担保や保証人が提供できる場合、融資の早いところで申し込むのが得策です。
なお、クレディセゾンの「セゾンビジネスサポートローン」は、クレジットカードにキャッシング枠を付帯するものであるため、該当のカードを保有していない場合、利用することができません。
本サービスは新たなカードローンのお申し込みではなく、お持ちのビジネスカードのキャッシングご利用可能枠の変更となります。
また、オリコの「CREST for Biz」は融資上限額が300万円と少ないため、高額利用したいときは1,000万円まで利用できる証書貸付型への申し込みが最適です。
消費者金融のビジネスローン
大手消費者金融会社のアイフル・プロミス・アコムもそれぞれビジネスローンを展開しています。
金利(年利) | 融資上限額 | 融資までにかかる時間 | 担保・保証人 | |
---|---|---|---|---|
AGビジネスサポート | 3.1%~18% | 1,000万円 | 最短即日 | 原則不要 |
プロミスの自営者カードローン | 6.3%~17.8% | 300万円 | 最短即日 | 不要 |
アコムのビジネスサポートカードローン | 12%~18% | 300万円 | 最短即日 | 不要 |
消費者金融のビジネスローンは法人で即日融資が可能なため、急な入用にも対応できます。
ただし、金利は上限が年17.8%~18%と高めに設定されるため、利用期間は短く抑えるべきです。
AGビジネスサポートの融資上限額は1,000万円ですが、法人の場合は経営者が連帯保証を負うことが条件となっており、繰り返しの利用にも対応しておりません。
これに対して、プロミス自営者カードローン及びアコムのビジネスサポートカードローンは、融資上限額が300万円と心もとないように感じますが、個人事業主に限定されているため、事業規模から考えると十分であると考えられます。
さらに、資金使途が事業資金に限らず生活費にも利用できるため、自由度の高いカードローンとなっています。
ビジネスローンの専門会社
ビジネスローンを専門として取り扱っている会社もあります。
金利(年利) | 融資上限額 | 融資までにかかる時間 | 担保・保証人 | |
---|---|---|---|---|
キャレントのキャレントスーパーローン | 7.8%~18% | 500万円 | 最短即日 | 不要 |
ニチデンの事業者ローン | 4.8%~17.52% | 1億円 | 情報なし | 原則不要 |
ビジネスローンの専門会社は、分類的には消費者金融にあたりますが、専門としているだけあって、融資上限額が銀行並みの1億円まであるところもあります。
金利は消費者金融同様、上限金利が法定金利と同じく18%のため、1億円を利用するときは金利の低い銀行の利用を先に検討するべきです。
なお、ニチデンは1億円までの利用、返済期間も20年までと長期的な契約が可能ですが、保証人または不動産の担保を求められることがあります。
ご融資額 1億円迄(要審査)※1億円以上もご相談に応じます。
※当社が必要と認めた場合は保証人又は、不動産担保をお願いします。法人の場合は、代表者様に原則連帯保証人をお願いします。
キャレントは最短即日で利用することができますが、平日14時までの契約が条件となるため、急ぎのときは少しでも早く申し込むことが必要になります。
ビジネスローンのメリット
ビジネスローンには次のようなメリットがあります。
- 融資までの時間が早い
- 無担保ローンなのに金利が低め
- 総量規制の例外貸付
- 事業資金であれば自由に使える
ビジネスローンは事業資金の目的ローンですが、事業に関係のあるものであれば自由に利用することができます。
例えば、住宅ローンは住居の購入費用に限られますが、ビジネスローンは運転資金や設備資金など、事業資金であれば自由に利用できます。
事業資金はまとまった資金が必要になるため、審査に時間がかかることもありますが、ビジネスローンは審査スピードが早く、最短で即日に融資を受けることができます。
また、ビジネスローンは原則、無担保無保証で利用できるにもかかわらず、カードローンなどの無担保ローンと比べると金利が低い傾向にあります。
なお、借入先が貸金業者である場合は総量規制の問題が生じますが、ビジネスローンは総量規制の例外貸付にあたるため、返済能力が認められれば年収の3分の1を超えても利用することが可能です。
ビジネスローンのデメリット
ビジネスローンには次のようなデメリットがあります。
- 銀行融資よりも金利が高い
- 融資上限額が1,000万円以下のローンが多い
- 今後の借り入れに影響する場合がある
事業資金を工面するときに最初に検討するのは銀行融資です。
銀行融資は審査時間はかかりますが、融資上限額が高く、低金利で利用することができるためです。
これに対して、ビジネスローンは借入先によっては銀行と変わらない金額まで利用できるところもありますが、1,000万円までの業者が多く、高額に対応することができません。(1000万円借りたいなら)
また、金利も銀行融資よりは高いため、返済総額が大きくなってしまう可能性があります。
なお、ビジネスローンは総量規制の例外貸付のため、借り入れするときは総量規制の適用を受けませんが、他社で借り入れするときは借入残高が総量規制の対象となります。
そのため、ビジネスローンを利用すると、カードローンなどの総量規制対象となる借り入れができなくなることがあります。
ビジネスローン以外で開業資金・事業資金を借りる方法
ビジネスローンを組む前に一度は相談してみるなら以下の制度や方法も有効です。
また、ビジネスローンの審査が難しいなと思った時には頼ってみるというのも手です。
内容 | |
---|---|
日本政策金融公庫の融資制度 | 新規開業または開業後7年以内であれば利用可能 |
国や地方自治体の補助金や助成金 | 返済義務なく給付を受けることができる |
銀行のプロパー融資 | 保証会社を通さず直接銀行から融資を受ける |
ベンチャーキャピタル | 投資会社に出資を募る |
エンジェル投資家 | 開業後の借り入れが困難な時期に個人投資家に出資を募る |
クラウドファンディングの利用 | インターネットを利用して不特定多数の人に出資を募る |
ファクタリング | 売掛債権を譲渡して期日前に収入を得る |
【特別枠】「支払い.com」東証プライム上場企業の
クレディセゾン共同運営のファクタリングサービス
- 借りずに資金繰りを改善※請求書払いをカードで先のばしが最長60日可能。
- 担保不要
- 最短60秒で決済可能
- WEBでユーザー登録後、即日利用可能
- 手数料が圧倒的に安い
利用までの流れ
- ①申込・カード決済
- ②指定日に「支払い.com」が代わりに振込
- ③カード会社に料金支払い
ビジネスローンを利用せずに資金調達を行う方法は大きく分けて4つあります。
- 国や銀行から借りる
- 出資を募る
- 債権譲渡
- 補助金または助成金の活用
ビジネスローン以外にも開業資金や事業資金を借りる方法は、日本政策金融公庫の融資制度や、銀行のプロパー融資があります。
日本政策金融公庫は原則、無担保無保証で最大7,200万円を借りることができ、金利も数%であるため、負担が少なく資金を調達が可能です。
銀行融資は、保証会社を介すのが通常ですが、プロパー融資は直接銀行から借り入れするため、金利が低くなります。
出資金を募る方法には、ベンチャーキャピタルなどの投資会社や、エンジェル投資家などの個人投資家、広く募集できるクラウドファンディングなどがあります。
しかし、いずれもボランティアで投資してくれるわけではないので、見返りとなる何らかの利益が必要になります。
債権譲渡で譲渡する債権は売掛債権です。
売掛債権は期日までは支払いを請求できないため、期日まで待たなくてはいけません。
ファクタリングを利用すれば、売掛債権を買い取ってもらって手数料を差し引いた残金を期日前に受け取ることができます。
ただし、手数料分は収入が減ることを理解しておかなければなりません。
国や地方自治体が給付する補助金や助成金は、原則返済する義務がありませんが、支給されるまでの時間が長いです。
助成金は支給要件を満たせば受給できますが、補助金は支給枠が限られているため、必ず受給できるわけではありません。
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この記事の監修者 | 山口みき |
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自己紹介 | 金融WEBメディア運営・管理経験(3年以上)を活かし「お金借りる今すぐナビ」の編集・監修を担当。FP技能士や貸金業務取扱主任者・クレジット債権管理士の資格取得にも前向きに取り組んでおり、借り入れに関する疑問や不安に応えるため、常に正確で専門的な情報提供に努めています。 |
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